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新刊 精神・神経

睡眠障害国際分類表紙(W210帯付)

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睡眠障害国際分類第3版

著者 米国睡眠医学会
訳者 日本睡眠学会診断分類委員会

 本書は2014年に刊行された睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)の日本睡眠学会診断分類委員会による待望の日本語翻訳版である。大きく7分類された睡眠障害の症状や経過,合併症,疫学,素因・誘因,鑑別診断などが最新の文献的知見に基づきコンパクトに網羅され,すぐれた教科書としても利用できる。睡眠医療関係者にとり必携の書。

発行   2018年07月11日

定価   本体 4,500円+税

判型   B5 298頁

ISBN   978-4-89801-628-2

 

翻訳にあたって 

日本睡眠学会 診断分類委員会・委員長  本多  真

 2014年の睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)の冊子版発行から4年,ようやくICSD-3の日本語版を皆様にお届けできることとなった.翻訳に携わった先生方の大きな努力により,専門領域以外の読者にも,(不十分なところは残るが)内容が伝わる水準の翻訳に仕上がったと考える.診断基準の部分のみ参照される読者も多いと思われるが,できれば座右におき,関心をもった疾患については是非本文をお読みいただきたい.本書には,症状や経過,合併症,疫学,素因・誘因,鑑別診断まで,治療以外の疾患関連情報がほぼ網羅され,コンパクトにまとめられており,すぐれた教科書として利用できる.また,鑑別診断には稀な疾患も記載されており,臨床で出会う非定型な症例の病態理解にも役立つであろう.
 なお,本書にある診断名や用語集は日本睡眠学会の公式訳語となる.英文の翻訳を試みられる場合にも,本書をご参照いただき,適切な用語使用をお願いしたい.

睡眠障害国際分類の歴史
 睡眠障害の近代的な分類体系は,米国睡眠障害センター連合(ASDC)を中心として作成され,1979年Sleep誌に掲載された“Diagnostic Classification of Sleep and Arousal Disorders, DCSAD”が最初である.これは主訴に基づく診断分類で,それまでの不眠症,過眠症,睡眠時随伴症に加えて,睡眠・覚醒スケジュール障害という概念が加えられた.引き続いて,米国睡眠障害連合(ASDA)を中心に日本・欧州・南米の睡眠学会が共同して作成した,睡眠障害国際分類(第1版)が出版された(1990年).これは操作的診断基準を採用し,持続期間や重症度の基準を含み,国際疾病分類第9版・米国臨床修正版(ICD-9-CM)のコード対応を含む特徴がある.88の睡眠障害を,大きく原発性睡眠障害と続発性睡眠障害および提案検討中の睡眠障害に分類し,原発性睡眠障害の中に睡眠異常と睡眠時随伴症を分け,さらに睡眠異常を3分して内因性睡眠障害(不眠症,過眠症,睡眠関連呼吸障害,睡眠関連運動障害など),外因性睡眠障害(不適切な睡眠衛生,睡眠不足症候群など),概日リズム睡眠障害としている.日本語翻訳は1994年,日本睡眠学会診断分類委員会(本多 裕委員長)により出版されている.2005年の睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)では,続発性睡眠障害および内因性・外因性という大きな枠組みを削除し,8つの睡眠障害分類(不眠症,睡眠関連呼吸障害群,中枢性過眠症群,概日リズム睡眠障害群,睡眠時随伴症群,睡眠関連運動障害群,孤発性の諸症状,その他の睡眠障害)および諸病態に伴う睡眠障害の合計9章に,計88の診断名が記載された.日本語翻訳は,2010年日本睡眠学会診断分類委員会(粥川裕平委員長)により出版されている.
 睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)は,9年という比較的短い間隔での改訂となった.これはICSD-2に大きな問題があったわけではなく,同時期に進行していた米国精神医学会(APA)の精神疾患の分類と診断の手引(DSM)改訂作業(DSM-5が2013年発行),および世界保健機関(WHO)による国際疾病分類改訂作業(ICD-11は2018年6月公表)との整合性を高めることを主目的とした改訂であったようである.ICSD-3はICSD-2を踏襲しており,診断名の若干の変更はあるが,枠組みの大きな変化は,孤発性の諸症状の章が分解されて,最も関連が深いと思われる章の末尾に付された点のみである.合計64の診断名が記載されている.
 睡眠障害の疾患分類は病態生理に基づくのが理想であるが,睡眠障害の多くは病因が未解明であり,現象論に基づく診断基準を使用せざるをえない現状がある.しかし,客観的な指標を用いた診断を重視しようとする姿勢は,本書に一貫している.

睡眠障害の分類体系について
 本書の序文にも記述があるとおり,睡眠障害の国際的な分類には,睡眠障害国際分類(ICSD)のほかに,米国精神医学会(APA)が作成する精神疾患の分類と診断の手引(DSM)と,世界保健機関(WHO)が作成する国際疾病分類(ICD)がある.ICSDが睡眠医療従事者を対象とした詳細で体系的・包括的なものであるのに対し,DSMは精神医療従事者が使用する目的で作られ,関連領域の睡眠障害をカバーするものであり,ICDは統計データとしてだけでなく,各国政府による保健医療行政立案や第一線の医療現場で,保険診療制度とリンクした医療の枠組みとして利用されるものである.
 現行のICD-10は睡眠障害分類が系統的になされておらず,睡眠医療専門家による臨床や研究には活用が困難な状況が続いてきたが,ICD-11では睡眠障害が精神障害および神経障害から独立した章となり,ICSD-3とほぼ完全に同一の疾患分類体系となることが公表された.ICD-11の国内適応に伴い,ICSD-3の有用性がさらに高まることが予想される.
 
ICSD-3翻訳について
 日本におけるICSD-3の紹介は,当時診断分類委員会委員長であった粥川裕平先生が,2014年7 月の第39回日本睡眠学会(徳島)で,早くも「ICSD-3の概要と睡眠医療医学の課題」というシンポジウムを企画されることに始まる.この際にシンポジストとなった先生方を中心に翻訳作業が開始された.その後,2016年7 月に本多が診断分類委員会の委員長を継ぎ,診断分類委員会以外の専門の先生方にもご協力を得ながら翻訳作業を進めることとした.作業手順は, 1 .翻訳者による原稿作成, 2 .監訳者による査読, 3 .編集者(粥川先生と本多)による用語や言い回しの統一を含む校正, 4 .翻訳者・監訳者・編集者での検討, 5 .診断分類委員会での回覧・査読, 6 .診断名や専門用語に関する用語委員会での確認である.
 以下に,ICSD-3の翻訳にあたった診断分類委員会の先生方,および翻訳・監訳をご担当いただいた先生方の名前を挙げ,感謝の意を表したい.
 本書がわが国における睡眠医学・睡眠医療のさらなる充実と,国際的な睡眠研究の発展に役立つことを,切に願う次第である.

診断分類委員会委員(2018年時点)(五十音順)                   
小曽根基裕(不眠症翻訳)                          東京慈恵会医科大学精神医学講座・准教授
粥川 裕平(不眠症・付録A監訳)               かゆかわクリニック・院長 名古屋工業大学名誉教授
神林  崇(過眠症翻訳)                          秋田大学医学部精神科学教室・准教授
北島 剛司(概日リズム睡眠・覚醒障害翻訳)藤田保健衛生大学精神医学教室・准教授
北村 拓朗                  産業医科大学病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科・准教授
神山  潤(睡眠関連呼吸障害と睡眠時随伴症:小児関連部分監訳)
                                                              東京ベイ・浦安市川医療センター・CEO
小鳥居 望                                               久留米大学医学部神経精神医学講座・講師
篠邉龍二郎                                               愛知医科大学病院睡眠科・睡眠医療センター・教授
田ヶ谷浩邦(睡眠時随伴症翻訳)                  北里大学医療衛生学部・教授
中山 秀章                                               東京医科大学呼吸器内科・准教授
本多  真(序文・過眠症・付録A翻訳)       東京都医学総合研究所・睡眠プロジェクトリーダー
宮本 雅之(睡眠関連運動障害翻訳)            獨協医科大学神経内科・教授          

翻訳・監訳担当                                  
内山  真(概日リズム睡眠・覚醒障害監訳)日本大学医学部精神医学系・教授
塩見 利明(睡眠関連呼吸障害監訳)            愛知医科大学睡眠科・睡眠医療センター・教授
清水 徹男(過眠症監訳)                           秋田県精神保健福祉センター・所長,秋田大学名誉教授
杉田 義郎(睡眠時随伴症監訳)                  関西学院保健館・学校医・産業医,大阪大学名誉教授
千葉  茂(睡眠関連運動障害監訳)            旭川医科大学医学部精神医学講座・教授
山城 義広(睡眠関連呼吸障害翻訳)            嬉野が丘サマリヤ人病院・院長         

目次

Ⅰ.不眠症
 1.慢性不眠障害
 2.短期不眠障害
 3.その他の不眠障害
   孤発症状と正常範囲の異型
 1.臥床時間過剰
 2.短時間睡眠者

Ⅱ.睡眠関連呼吸障害群
 A.閉塞性睡眠時無呼吸障害群
 1.閉塞性睡眠時無呼吸,成人
 2.閉塞性睡眠時無呼吸,小児
 B.中枢性睡眠時無呼吸症候群
 1.チェーンストークス呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸
 2.チェーンストークス呼吸を伴わない身体疾患による中枢性無呼吸
 3.高地周期性呼吸による中枢性睡眠時無呼吸
 4.薬物または物質による中枢性睡眠時無呼吸
 5.原発性中枢性睡眠時無呼吸
 6.乳児期の原発性中枢性睡眠時無呼吸
 7.未熟性に伴う原発性中枢性睡眠時無呼吸
 8.治療時出現中枢性睡眠時無呼吸
 C.睡眠関連低換気障害群
 1.肥満低換気症候群
 2.先天性中枢性肺胞低換気症候群
 3.視床下部機能障害を伴う遅発性中枢性低換気
 4.特発性中枢性肺胞低換気
 5.薬物または物質による睡眠関連低換気
 6.身体疾患による睡眠関連低換気
 D.睡眠関連低酸素血障害
   睡眠関連低酸素血症
 孤発症状と正常範囲の異型
 1.いびき
 2.カタスレニア

Ⅲ.中枢性過眠症群
 1.ナルコレプシータイプ 1
 2.ナルコレプシータイプ 2
 3.特発性過眠症
 4.クライネ-レビン症候群
 5.身体疾患による過眠症
 6.薬物または物質による過眠症
 7.精神疾患に関連する過眠症
 8.睡眠不足症候群
 孤発症状と正常範囲の異型
 1. 長時間睡眠者

Ⅳ.概日リズム睡眠・覚醒障害群
 1.睡眠・覚醒相後退障害
 2.睡眠・覚醒相前進障害
 3.不規則睡眠・覚醒リズム障害
 4.非24時間睡眠・覚醒リズム障害
 5.交代勤務障害
 6.時差障害
 7.特定不能な概日睡眠・覚醒障害

Ⅴ.睡眠時随伴症群
 A.ノンレム関連睡眠時随伴症群
 1.(ノンレム睡眠からの)覚醒障害群
  ①錯乱性覚醒
  ②睡眠時遊行症
  ③睡眠時驚愕症
 2.睡眠関連摂食障害
 B.レム関連睡眠時随伴症群
 1.レム睡眠行動障害
 2.反復性孤発性睡眠麻痺
 3.悪夢障害
 C.その他の睡眠時随伴症群
 1.頭内爆発音症候群
 2.睡眠関連幻覚
 3.睡眠時遺尿症
 4.身体疾患による睡眠時随伴症
 5.薬物または物質による睡眠時随伴症
 6.特定不能な睡眠時随伴症
 孤発症状と正常範囲の異型
 1.寝言

Ⅵ.睡眠関連運動障害群
 1.むずむず脚症候群
 2.周期性四肢運動障害
 3.睡眠関連下肢こむらがえり
 4.睡眠関連歯ぎしり
 5.睡眠関連律動性運動障害
 6.乳幼児期の良性睡眠時ミオクローヌス
 7.入眠時固有脊髄ミオクローヌス
 8.身体疾患による睡眠関連運動障害
 9.薬物または物質による睡眠関連運動障害
 10.特定不能な睡眠関連運動障害
 孤発症状と正常範囲の異型
 1.過度断片的ミオクローヌス
 2.入眠時足部振戦および睡眠時交替性下肢筋賦活
 3.睡眠時ひきつけ(睡眠時びくつき)

Ⅶ.その他の睡眠障害

付録A. 身体疾患および神経疾患に関連する睡眠障害261
 1.致死性家族性不眠症
 2.睡眠関連てんかん
 3.睡眠関連頭痛
 4.睡眠関連喉頭痙攣
 5.睡眠関連胃食道逆流症
 6.睡眠関連心筋虚血

付録B. 国際疾病分類第10版・米国臨床修正版(ICD-10-CM)における物質誘発性睡眠
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