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ISBN 978-4-89801--
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書籍

ガイドライン・マニュアル

女性の動脈硬化管理指針

書籍カテゴリー

女性の動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針 2013年度版

編集 日本女性医学学会
   『女性の動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針 2013年度版』作成委員会

品切

 日本動脈硬化学会の『動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針2012年版』に準拠し、産婦人科医が日常診療の中で動脈硬化性疾患の一次予防にどう関わるかの指針。 疫学や女性の冠動脈疾患リスク因子、閉経と脂質代謝、脂質異常症の検査・管理方法と治療も解説した。

発行   2013年12月27日

定価   本体 2,000円+税

判型   A4 42頁

ISBN   978-4-89801-469-1

電子書籍版を下記サイトにて販売しております

http://ebooks.molcom.jp/item_detail/25383/

本書の刊行にあたって

日本女性医学学会理事長 
水沼 英樹

 心筋梗塞や脳卒中を引き起こす動脈硬化性疾患は、がんと並んで日本人の死因統計上、大きな位置を占める疾患です。これらの疾患は、身体活動や食事など生活習慣の質がリスク因子となり、その発症に深く関わり、またそれらが長い潜伏期間をかけて顕在化し、最後には重篤な疾患として発病してくるという特徴を持っています。

 これまで、女性においては動脈硬化性疾患のリスクは男性に比べて低いとされてきましたが、これは卵巣から分泌されるエストロゲンが動脈硬化性疾患の発症に対し予防的に作用するためであり、卵巣機能が廃絶した閉経女性では本疾患の発症は急上昇し、70歳以降では男性と同等ないしはそれを上回るリスクを有するとされています。高齢化を迎えた今日の日本において、動脈硬化性疾患の予防とその対策は、健康寿命をいかに延ばすかという視点からも、医療経済の視座からも益々重要かつ喫緊の課題となっています。

 動脈硬化性疾患に関するガイドラインとして、我が国では1997年に日本動脈硬化学会から日本人のデータを基礎としてその診断基準が提唱され、以来、同学会からは『動脈硬化性疾患診療ガイドライン』、『脂質異常症の診断基準』、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』が発行され、その改訂版が発刊されています。言うまでもなく、これらは動脈硬化性疾患をどのように診断し、治療して行くか、さらにはその予防をどのように行うべきかについて核心的な事項を提示するもので、日本動脈硬化学会が我が国の動脈硬化性疾患の発展において果たしてきた役割は最大の栄誉に浴するものです。

 それにもかかわらず、日本女性医学学会が新たに本書の発刊を企画したのは、動脈硬化性疾患の発症には複数のリスク因子が関係しているが、そのリスク因子の重要度には男女間で明白な差があり、したがって、本疾患の予防や治療においては性差を考慮した対応が求められることを痛感しているからに他なりません。加えて、動脈硬化性疾患は発症から発病に至るまでに長い時間を要しているので、その予防も女性の一生を通じてリスク因子の管理を行わなければならず、これらの点において日本女性医学学会の果たすべき役割は決して小さいものではないと認識したからです。

 このため、日本女性医学学会では若槻明彦愛知医科大学教授を中心として委員会を立ち上げ指針作成に着手しましたが、本書の作成に当たっては、日本動脈硬化学会理事長の寺本民生先生をはじめとして、動脈硬化性疾患に精通されておられる複数の内科の先生のご指導をいただきました。ここに深甚なる謝意を申し上げます。本書が産婦人科医師はもとより、内科の先生においても広く活用され、我が国の女性のQOLの維持、改善に寄与できることを期待しています

 

はじめに

日本女性医学学会『女性の動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針2013年度版』作成委員会 委員長 
若槻 明彦

 本邦における冠動脈疾患の発症や死亡率は欧米に比較して低く、また男性に比べて女性のリスクは低いことが知られている。しかし、女性における心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症リスクは加齢とともに閉経後のエストロゲン低下と関連しており、閉経後に急増することが多くの疫学研究で証明されている。

 また、脂質異常症をはじめとする冠動脈疾患のリスク因子もエストロゲン濃度と密接に関与する。 しかしながら、わが国においてこれまで産婦人科医師の心血管疾患に対する意識は乏しく、実地臨床の場でほとんど取り扱われることがなかったのが現状である。一方欧米では、1990年代にホルモン補充療法(HRT)が抗動脈硬化作用を有し、心血管疾患リスクを低下させるとの疫学報告から数多くの閉経後女性に対してHRTが行われていた1)。しかし2000年以後、米国のNational Institutes of Health(NIH)が無作為化二重盲検試験として行ったWomen’s Health Initiative (WHI)により、逆にHRTが心血管疾患リスクを増加させるとの報告がなされ、HRTの使用が制限されるようになった2)。その後多くの研究やサブ解析により、HRTの投与方法の違いで有害事象を回避できる可能性も示唆されるようになり、日本産科婦人科学会と日本女性医学学会(旧・日本更年期医学会)が共同で2009年に『ホルモン補充療法ガイドライン2009年度版』を策定し、2012年には、その内容が改訂された3)。 このように女性の心血管疾患は男性とは異なり、性ホルモンとの関わりが大きく、今後産婦人科医師は、女性の予防医学としてこれらの疾患の診断・管理への積極的な取り組みが必要である。

 日本動脈硬化学会は、2012年に動脈硬化性疾患予防ガイドラインを5 年ぶりに改訂した4)。その中には、女性について独立した1 章が設けられ、疫学や女性におけるリスク因子、女性における冠動脈疾患の一次予防、二次予防などが記載されている。ステートメントとしては、次の3 点を挙げている。

1 .閉経前の女性における脂質異常症に対しては、生活習慣改善による非薬物療法が中心となる。
2 . 閉経前であっても、家族性高コレステロール血症(FH)や冠動脈疾患二次予防、ならびに一次予防のリスクの高い患者には、薬物療法も考慮する。
3 . 閉経後の女性の脂質異常症においては、生活習慣の改善が優先されるが、危険因子を十分勘案して、薬物療法も考慮する。

 今回、日本女性医学学会の委員会のなかで、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』4)に準拠しつつ、『女性の動脈硬化性疾患発症予防のための管理指針2013年度版』(以下、本書)を作成した。 冠動脈疾患の管理は、その発症予防(一次予防)と発症後の管理(二次予防)に分かれる。二次予防は循環器内科専門医など内科医が管理するため、我々産婦人科医は一次予防に重点をおくべきである。そのためには冠動脈疾患のリスク因子のスクリーニングが必要である。リスク因子には冠動脈疾患の家族歴、脂質異常症、高血圧、糖尿病(耐糖能異常を含む)、喫煙、慢性腎臓病(CKD)などがあり、それぞれの管理が冠動脈疾患の発症予防に重要であるが、本書では特に脂質異常症に焦点を当て、『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版』4)に準拠しつつ、産婦人科医師が動脈硬化性疾患の予防医療を行う上で必要なエビデンスや管理方法について具体的に述べる。

 最後に、本書の作成にあたり多大なご指導・ご尽力をいただいた、齋藤 康先生(千葉大学学長)、寺本民生先生(帝京大学臨床研究センター センター長)、横手幸太郎先生(千葉大学大学院教授)、荒井秀典先生(京都大学大学院教授)に深甚なる謝意を申し上げます。

 

目次

本書の刊行にあたって
はじめに
頻出略語一覧
1.冠動脈疾患の疫学
2.冠動脈疾患リスク因子の特徴
3.冠動脈疾患リスク因子の経年的変化
 (1)脂質異常症
 (2)高血圧
 (3)糖尿病(耐糖能異常を含む)
 (4)メタボリックシンドローム
 (5)喫煙
 (6)CKD
4 .脂質異常症と冠動脈疾患
5 .閉経前女性の脂質異常症
6 .周閉経期~閉経後女性の脂質代謝特性
7 .脂質異常症の検査・管理方法
 (1)脂質検査の方法
 (2)脂質異常症の診断基準
 (3)脂質異常症の管理基準とリスク区分別脂質管理目標値
 (4)閉経前脂質異常症の管理
 (5)周閉経期~閉経後脂質異常症の管理
8 .脂質異常症の治療
 (1)生活習慣の改善
 (2)薬物療法
   ①HRT
   ②スタチン
   ③フィブラート系薬
   ④EPA/EPA・DHA製剤
   ⑤小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
   ⑥陰イオン交換樹脂(レジン)
   ⑦ニコチン酸誘導体
   ⑧プロブコール
   ⑨植物ステロール
   ⑩その他
   ⑪薬剤の併用療法
参考文献
付録1  脂質異常症治療薬一覧表
付録2  臨床検査などの基準
索引