書籍
新刊 老年医学
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加齢とともに生理的な予備能は低下し,様々なストレスに対して脆弱性を示す状態を「フレイル」という.フレイルは多くの研究から高齢者の予後に影響を及ぼすことが知られており,本ハンドブックは,フレイルの概念,評価法だけでなく,各疾患とフレイルとの関係も含めて,各領域におけるエビデンスの紹介と対策について初めてまとめた1冊!!
発行 2016年03月25日
定価 本体 500 円+税
判型 100×160mm 96頁
ISBN 978-4-89801-553-7
わが国は高齢化率において世界のトップを走り続けているが,地域のみならず,急性期病院における外来,入院患者の高齢化も著しいものがある.特に75歳以上の高齢者の診療に携わることがどの診療科においても増加傾向にあり,例えば,東京都消防庁のデータによれば,救急車により来院する患者の1/3以上が75歳以上の高齢者となっている.また,手術を受ける患者の年齢も高齢化している.このように多くの診療現場において高齢者の特性を理解して診療に当たる必要があると思われるが,医療専門職の対応は十分とはいえない.というのも高齢者医療の現場では,疾病のみへの対応では不十分で,生活機能の評価も重要になってくるからである.また,多職種連携も重要な意味をもつ.
加齢とともに生理的な予備能は低下し,様々なストレスに対して脆弱性を示すようになるが,これが「フレイル」といわれる状態で,要介護状態や自立性の欠如,転倒・骨折,死亡などのリスクとなることで注目を集めている.このフレイルについては臨床現場で適切な評価・診断がなされていない現状があるが,手術などの治療を行う際にその後の合併症の発生や再入院,予後などに関わってくる.このようにこれまでに行われた多くの研究でフレイルは,高齢者の予後に影響を及ぼすことが知られているが,それらのエビデンスをコンパクトにまとめた書籍はまだ出版されていない.したがって,本ハンドブックでは,フレイルの概念,評価法だけでなく,各疾患とフレイルとの関係も含めて,各領域で活躍中の執筆者にエビデンスの紹介と対策について記述していただいた.本書が,フレイルの認知度向上につながり,高齢者医療の現場で少しでも役に立つことを願っている.なお,本ポケット版作成に当たっては,長寿医療研究開発費の支援を受けた.
2016年3 月
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター副院長
荒井 秀典
総 論
フレイルの歴史,概念,診断,疫学
フレイルの病態生理
コグニティブ・フレイル
社会的フレイル
オーラル・フレイル
フレイルと栄養
薬物治療とフレイル
フレイルの画像診断
フレイルと嚥下機能
在宅医療におけるフレイルの意義
フレイルとリハビリテーション
慢性期医療とフレイル
フレイルに対する看護
類似病態
サルコペニアとフレイル
ロコモティブシンドロームとフレイル
がんによるカヘキシアとフレイル
疾患との関連
認知症とフレイル
うつとフレイル
神経疾患とフレイル
循環器疾患とフレイル
生活習慣病とフレイル
COPDとフレイル
腎機能障害とフレイル
消化器疾患とフレイル
骨粗鬆症とフレイル
関節リウマチとフレイル
外科疾患とフレイル
泌尿器科疾患とフレイル
耳鼻咽喉科疾患とフレイル
眼科疾患とフレイル